煙突の出し方と屋根の事情

薪ストーブには煙突が必要です。

実は、あまり知られていないのですが、煙突を設置するのってとても厄介です。

二律背反、煙突を考える時にぶち当たる問題です。

煙突設置の難しさを以下に記します。

薪ストーブの煙突
 

屋根より低い煙突の現実

理想的な薪ストーブの煙突の高さについては、解説してくれている情報が結構あります。

しかし、現実は理論的には理想な高さ通りに設置されていない場合が多いです。

あまり知らされない、煙突の高さの問題についてまとめておきます。

ログハウスの大屋根に設置された煙突

煙突から風が入り煙が逆流する問題

薪ストーブシーズンも終了間際、北風が南風に変ります。

春一番の様な強風が吹く時は、まだ家の中は寒く、薪ストーブをつけていたい場合があります。

そういう時に、問題が起きます。
南風が煙突に入り込む為に、煙が外に出て行かず、薪ストーブの中に煙が戻されてしまうのです。
その為、炉内の火は消えてしまいます。

逆流して来た煙が薪ストーブから漏れる

薪ストーブから煙が漏れ、家の中がモウモウとなる時も ・・・

そんな問題に悩まされる薪ストーブ愛好家は結構、いるのではないでしょうか?

春一番でも逆流しない煙突の高さ

煙突が屋根より低いと風が屋根にぶつかり気圧が増します。
気圧が高いところから低い所に空気は移動するので、煙突に風が入り込む事になります。

もし、煙突が屋根より高ければ、南風も北風も同じ条件という事になります。
南風の頃に、逆流なんて起きないでしょう。

煙突が屋根より高い家

これは、多くの薪ストーブ愛好家は知っています。
しかし、現実的には屋根より低い煙突があるのには、理由があるからです。

南風で煙が逆流し易い屋根の形状

煙突を屋根より高く出し易いのは、小さい屋根です。

下の様に屋根には色々な種類がありますね。

  • 切妻屋根
  • 寄棟屋根
  • 方形屋根
  • 片流れ屋根
  • 陸屋根

例えば、四角っぽい家に見られる陸屋根なんかは、必然、薪ストーブの煙突は屋根より高くなります。

陸屋根の家


寄棟屋根も屋根の一番高い箇所と軒では高低差があまりありません。
それ故、煙突を出すと屋根より高くなり易いです。

問題は切妻屋根です。
切妻屋根の中でも傾斜が急な大屋根は、煙突を出すのに問題になります。

屋根より煙突を高くし難いので、南風が吹くころに煙が逆流してしまう事になります。

大屋根に設置された煙突

家の寿命を縮める屋根出し煙突

大概の人が薪ストーブを設置する時、煙突を優先して、屋根については何も考えないですね。

ところが、家からすると、煙突は問題があります。
それ故、切妻の大屋根では、煙突を屋根より高くしてしまうと家の寿命を縮める事になり得るのでした。

家の寿命を守る屋根の機能

木造であろうが、鉄筋コンクリートであろうが、家を長持ちさせるには、湿気から家を守る必要があります。

その主な役割を果たしているのが屋根
風雨から家を守ってくれているのは、誰もが知っていることでしょう。

屋根が守ってくれる

それ以外にも、家の中の湿気を外に出す働きもしてくれます。

薪ストーブと家、どちらが大切ですか?

家を守るには、屋根を損ねてはいけません。

寄棟屋根から煙突を出す場合の問題

方形屋根は4箇所、寄棟屋根は5箇所、曲がった部分があります。

寄棟屋根

曲がった部分は雨水が漏れやすいので、板金など特別な養生が必要になります。
それ故、煙突の穴を開ける時は、曲がった部分、棟は避ける必要があります。

屋根の形状が複雑な上、穴まで開けるのですから、家からするとあまり良い事ではないでしょう。

切妻の大屋根から煙突を出す場合の問題

一方、切妻屋根は形状がシンプルです。
それ故、寄棟屋根より煙突を設置し易い筈です。

切妻屋根

ところが、傾斜がきつい大屋根となると問題があります。

屋根が大きくなると屋根の重量が増します。
それ故、さらに薪ストーブの煙突を設置するとなると、風力が加わり易くなります。

垂木だけで煙突から伝わる風力を受け様とするのは危険です。
それ故、母屋または外壁の近くに煙突は設置する事になります。

※ 母屋とは、棟木と同じ様に、屋根を支える構造材です。

母屋

つまり、薪ストーブの煙突を屋根の一番高い位置辺りに設置するには、母屋を高い位置に入れれば可能そうに思えます。

しかし、実際は家の構造に大きく影響するので、設計段階から計画していかないと難しいでしょう。

切妻の大屋根より煙突を高くする

それでなくとも、屋根には強風、豪雨、積雪など外から力が加わります。
煙突が家を守っている屋根の役割を損ねない様にしなければなりません。

日本では屋根に煙突があるなんて稀ですから、外国と違って、煙突に対応した屋根を初めから設計する事はあまりないですね。

家の設計

問題はログハウスです。
ログハウスでは薪ストーブが設置される場合が多いです。

それなのに、日本では煙突を屋根より高く設置する構造になっていないです。

薪ストーブは薪ストーブ店より工務店で

多くの人が薪ストーブを展示している薪ストーブ店で薪ストーブを購入していますね。

でも、私は薪ストーブを買うなら以下の理由から工務店の方をおすすめします。

  • 家の事が良く分かっている
  • トータル的にコストが安い

例えば、
屋根の上の煙突のメンテナンスをしようとすると、足場をかけなければなりません。
それだけの為に足場をかけるとなると、費用はかさみます。

工務店ならば、煙突周りだけでなく、屋根の修理や塗装、屋根材の交換を依頼出来ます。

薪ストーブ店はそういった工務店の下職の一つだったりします。

屋根の塗装

屋根の塗装はだいたい10年ごとに行うことになります。
その折、煙突のメンテナンスをしてもらえばトータル的に低コストで済むでしょう。

 

壁に穴を開けて煙突を出す方法

屋根から薪ストーブの煙突を出すとなると、大掛かりな工事になります。
コストもかかります。

一方、壁を抜いて外に煙突を出す方が、一般的には容易いです。

煙突を壁から出す

壁抜き煙突のデメリット

しかし、煙突を壁に穴を開けて通すのにはデメリットもあります。
主に以下の3点でしょう。

  1. 煙突を壁を通すには不向きな家がある
  2. 煙の通りが悪くなる
  3. 煙突掃除が面倒になる

壁から出した煙突

実は私は初め壁を抜いて煙突を設置しました。
ところが、我が家は軒が深いので以下の様な困った事になりました。

  • 煙突を高く出来ない
  • 台風の折、煙突が曲がる

薪ストーブの煙突は高くないと、煙の出も良くないです。
着火時にトラブルになることもありました。

煙突を固定出来る外壁なら

壁から出した場合、壁に煙突を固定する事になります。
煙突を下から支えるだけでは、強風の折、煙突は曲がってしまいますからね。

外壁に固定金具を付けられる木材だといいのですが ・・・

外壁が木材だと煙突を固定し易い

新築では煙突を固定するとは思ってもいないでしょうから、窯業系外壁材が使われている家が多いです。

壁出しは難しいでしょうね。

DIYで煙突設置例

自分で薪ストーブの煙突を設置したというので、見せてもらいました。
屋根に穴を開けるとなると、自分では出来ないでしょう。

DIYで壁に穴をあけるのだって、難しいです。

私が見たのは、壁ではなく、窓から煙突が出されていました。
これなら、DIYで出来そうです。

窓だしの煙突

そして、家の脇にあった立木を利用して、煙突を固定するといったウルトラCの技には驚きました。

窓から出した煙突を立木に固定する

 

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