自分に合った薪ストーブを選ぶ
どの薪ストーブを選ぶかで薪ストーブ生活の楽しさは大きく変わると思います。
初めに見た薪ストーブが気に入り決めてしまう方や、直感的に選んでしまう人もいますね。
だから、後々、後悔する人もいます。
我慢しきれずに、使っている薪ストーブを下取りに出して買い替えたという話も聞きます。
薪ストーブは高価なものです。
慎重に自分に合った薪ストーブを選ぶといいですね。
これから薪ストーブを設置したいと思う方の為に、以下にいくつかの選択肢を記します。
アンコールを選ぶ
日本では最も人気がある薪ストーブと言えば、バーモントキャスティングのアンコールです。
子どものいる家庭に合った薪ストーブでしょう。
アンコールが私たちの心を惹きつけるポイントを列挙してみました。
- 見た目がクラシックでおしゃれ
- 大きな窓から炎が良く見える
- 薪ストーブ料理を楽しめる機能が備わっている
- ウォーミングシェルフなど小物が揃っている
- 観音開きドアが扱いやすい
- 大きいので広い空間を暖房出来る
- 燃焼は薪の消費量が少ない触媒方式
- 可愛らしい赤色がある
実は私は初めて見た薪ストーブがアンコールだったので、すっかり虜になってしまいました。
アンコールの上部のクッキンググリドルで炒め物料理が出来るのです。
他の多くの薪ストーブにはバッフル板がありますね。
一方、アンコールは特殊な構造をしていて、バッフル板が無いのです。
それで、天板に直接火が当たり、料理が出来る程、熱くなるのです。
それに本体下部の灰受けも料理に使えるという心憎い機能もあります。
実際に使っている人によると、
キッチンにある調理器具の便利さにはかなわないので、普段、アンコールでパンを焼いたりの調理はしていないという事でした。
でも、家にいながら、非日常を演出してキャンプ感覚で料理が楽しめる!
子どもも喜ぶでしょうね。
アンコールには心憎い魅力があります。
さらにバーモントキャステヒングから、
薪ストーブ料理をより楽しめるダントレスフレックスバーンというのも出ていますね。
でも、デメリットもあります。
それを列挙すると以下の様になります。
- 掃除が大変
- 交換が必要な触媒はちょっと高価
- バイメタルコイルなど寿命が短い部品がある
特に他の薪ストーブと比べて掃除は、念入りにやる必要があります。
パーツを分解して、掃除機で灰やススを吸い出します。
実際、アンコールを使っている人の話によると、
「慣れればそんなに大変でもないよ。」
・・・との事です。
結果的には私はアンコールを選ばなかったのですが、
バーモントキャスティングのアンコールは楽しさが十分にある薪ストーブだと思います。
燃焼方式で薪ストーブを選ぶ
燃焼方式はざっくりと分けると以下の2つになります。
- 触媒方式
- クリーンバーン方式
甲乙つけがたいメリットが各々あります。
さて、どう判断するかは、あなたです。
触媒方式のメリット
触媒方式のメリットは、薪の消費量が少ないと言われています。
薪ストーブは木を燃やすというよりも、木から出る黒煙を燃やす暖房器具と言えるでしょう。
その黒煙が燃え始めるのが、270度程からと言われています。
実際は薪ストーブの天板にマグネットで貼りつく、ストーブサーモメーターを見ながら、薪ストーブの温度を上げていきますね。
上のストーブサーモメーターでは、バーンゾーンの示すところが、黒煙が十分燃える適正範囲を示しています。
寒い日でも家が暖かくなるので、私は炉内を400度くらいにまで上げています。
一方、触媒の薪ストーブの場合、黒煙が出始める270度程で二次燃焼が出来ます。
つまり、炉内の温度が低くとも、二次燃焼室で黒煙が燃え、暖かくなるのが、触媒方式です。
炉内の温度が低ければ、薪の消費量が少なくて済みます。
このありがたさが実感されるのが朝です。
クリーンバーン方式の薪ストーブの場合、寝る前にくべた木は燃え尽きてしまいます。
触媒方式の薪ストーブでは薪がなくなり難いので、朝、起きた時から暖かい!
・・・というわけです。
クリーンバーン方式のメリット
クリーンバーン方式では触媒を使わないので、触媒の費用がかかりません。
垂直燃焼で構造もシンプルなのでメンテナンスが楽です。
兎角、面倒な事が多い薪ストーブ、費用がかからず、メンテナンスが楽だというのはありがたいです。
ちなみに、私は忙しい毎日を送っているので、楽さを重視してクリーンバーン方式を選びました。
炎で薪ストーブを選ぶ
本来、薪ストーブは暖房というよりか、調理を目的としていたのではないかと思います。
調理をするのなら、炎が必ずしも見えなくともいいわけです。
ところが、今では炎は薪ストーブを選ぶ大きな要素になっていますね。
主に以下の2つの炎が人気です。
- オーロラの様な揺らめく炎
- 青い炎
オーロラ燃焼の薪ストーブ
例えば、ネスターマーティンは炎が人気な薪ストーブです。
ウッドボックスという技術で、オーロラの様なゆっくりとした炎が表れます。
大きな窓で炎が見易いです。
オーロラの正体は黒煙が燃える様子ですね。
同じように排気側にダンパーがついている薪ストーブなら、ゆっくりとした動きになり、オーロラになります。
他のストーブでも、煙突ダンパーをつけるとオーロラを出す事が出来ますね。
青い炎が鑑賞できる薪ストーブ
蝋燭の火が橙色なのに、ガスレンジの炎の色は青色です。
青色の方が高温だからですね。
青色の炎は神秘的な雰囲気があるせいでしょうか?
青い炎を見たいという人も少なからずいます。
かく言う私もそうです。
私が使っているセギャンも綺麗な青色が出ます。
煙突ダンパーがつくているので、青色のオーロラを楽しむことが出来ます。
他にもドブレが青の炎が出るというので好まれていますね。
材質の違いで薪ストーブを選ぶ
富士山薪ストーブクラブの会員から聞いた話や私の体験から、薪ストーブの材質・素材の評判を下にまとめてみます。
人気の鋳物の薪ストーブ
富士山薪ストーブクラブの会員の薪ストーブは断然、鋳物が多いです。
私が今、使っているセギャンも鋳物の薪ストーブです。
鋳物の薪ストーブは蓄熱性が高く、じんわりとした暖かさがありますね。
評判が芳しくないホーローの薪ストーブ
辛口の評価が多いのはホーローの薪ストーブです。
ホーローは衝撃を受けるとヒビが入り易いというデメリットがあります。
それに使っている内にそのヒビが大きくなって来て ・・・
アンコールの赤い薪ストーブなんか、可愛いのですがね。
でも、ホーロー製なので、評判は今一つです。
ビギナーにはありがたい鋼板製の薪ストーブ
私は鋼板の薪ストーブの評価も高いです。
初め使った薪ストーブは鋼板製で、ビギナーにはとてもありがたい薪ストーブでした。
理由は以下の3点によるものです。
- 直ぐに暖かくなる
- なんでも燃やせる
- 多少、無茶な使い方をしても壊れにくい
週に一度来る別荘ならば、鋼板の薪ストーブがイイと思います。
火を入れたら直ぐに暖かくなるので、ホッとひと息入れられますよ。
私は薪ストーブを始めたばかりの頃、薪が集まらず苦労しました。
工務店は建築端材をお金を出して廃棄しています。それなら入手はし易いです。
それで私は車いっぱいもらって来て、鋼板の薪ストーブでガンガン燃やしていました。
一気に火力が上がりました。
多少無理な使い方をしたので、鋳物の薪ストーブだと壊してしまったかもしれません。
薪の入手に不安を感じている人は、鋼板製の薪ストーブの選択もアリだと私は思います。
特別な薪ストーブを選ぶ
アンコールの様に多くの人が持っている薪ストーブは嫌だという人もいますね。
ヨーロッパには日本では知られていない薪ストーブがかなりあります。
探そうと思うと、ちょっと珍しい薪ストーブが手に入れる事も出来るでしょう。
下は2016年に見せてもらった貴重な薪ストーブです。
ドブレのプレリュードです。
日本には数台しか入っていませんでした。
希少な薪ストーブは壊れた時に部品を取り寄せるのに大変!
・・・そういった問題もありますが、薪ストーブは半分趣味の要素もありますからね。
所有欲を満足させる一品を選ぶというのもアリだと思います。
私のお勧めな薪ストーブ
実際に薪ストーブを使い出すと分かって来ることがいくつかあります。
その上で、私のお勧めポイントを以下に紹介します。
外気取入れ口が設置出来る薪ストーブ
実はあまり知られていませんが、薪ストーブは、隙間風の原因になります。
家を暖かくするには、外気取入れ口の設置が必要です。
詳しくは下記ページを参照して下さい。
薪ストーブを入れても暖かくない
私は富士山薪ストーブクラブで多くの薪ストーブ愛好家と面識があります。薪ストーブ一つで家は暖かくなりますよ。・・・などと工務店や薪ストーブ店の言葉を信じて導入した人もいる様ですね。色々話を聞いてみると、冬、薪ストーブで家中暖かく、快適に暮らし...
サイドドアのある薪ストーブ
サイドドアがない薪ストーブを使っている人は、あまり感じていないかもしれませんが、サイドドアがないのは不便です。
理由は以下ての点です。
- サイドドアを開けても煙は出て来ない
- 灰をかき出しても、灰が舞わない
- 炎が大きい時でも、安全に薪を足せる
- フロントドアに近づき過ぎた薪を移動させ易い
要はフロントドアを開けた時の困った事が起きないです。
大きめの薪ストーブ
一般的には暖めたい空間の大きさで薪ストーブの大きさも決まると言われています。
でも、実際はそうはならない場合が多いです。
小さい薪ストーブの方が薪の消費は少ないと言われています。
ですが、私は小さい薪ストーブはあまりお勧めしません。
大きな薪ストーブなので暑すぎてしまって
・・・ なんていう話は聞いたことありません。
逆に小さい薪ストーブではパワー不足なので、大きいのに買い換えたといった事例は見聞きしています。
他にも大きめの薪ストーブには上記のサイドドアがついている物が多いです。
薪も長い物が入るので薪作業も楽です。
薪ストーブ料理もし易いですしね。
私は大きめの薪ストーブをお勧めします。